2008/11/21

Rowland S. Howard "Teenage Snuff Film"

オーストラリア出身。
Nick Caveらと共にBoys Next Doorのギタリストとしてデビュー、
渡英してThe Birthday Partyと改名しポストパンクシーンに大きな痕を残した彼。
当時、そしてその後のCrime & The City Solution~These immortal soulsにおいてもそのギターサウンドが唯一無比の存在感を放っているわけなんですけど
そのギタリストとしての素晴らしさはここでは置いて。
(個人的にはキース・レヴィン、ダニエル・アッシュ、ジョン・マクガフと並んでポストパンクの最重要ギタリストと考えています)
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このアルバムは彼のソロアルバムなんですけど 個人のシンガーとして派手さはないものの
実に素晴らしい歌と楽曲を披露している。
ちょっとヘロヘロ系の歌声でうまい歌手では無いんだけど とても落ち着いていて深みがあります。
弦やギターなどの入ったバンドサウンドは歌のバックをしっかりと彩っている。
曲調はマイナーコードでせつなさと落ち着きがあり やはり元バースデーパーティーの同僚であるニック・ケイヴやミック・ハーヴェイなんかの作る世界にやはり通じるところがあります。
フィルムで撮影した美しいモノクロ映画のような質感です。
全体的に落ち着いた印象だけど ラストのSleep Aloneでは激情のギターが鳴り響いて空気を震わせていて 歌もテンション張り詰めていて
この曲はニール・ヤングなんかと同等の位置にまで達しているのではないかと。
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派手ではないものの、しっかりと輝きを見せる素晴らしいレコード。